建築主にしてみれば、設計事務所よりも「数分のことズッと安く、かといって「数十万円も設計料を払うんだから、まずは心配ないだろう」と思う。こうすれば建築主も安心し、独立した第三者の建築士のところに、相談をしに行くこともなくなる。ところが実は、設計料無料サービスなどのサービス価格の表示があった場合、民法五五一条の規定から建築主は危機にさらされている。民法には「贈与者ハ贈与ノ目的タル物又ハ権利ノ瑕疵又ハ欠訣二付キソノ責任ヲ任セス」とある。
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簡単にいうと「タダでもらったものに欠陥があっても、相手に責任を取ってはもらえない」ということである。たとえば、友人からもらったテレビが壊れ、修理に一万円かかった、しかし、友人に修理代の請求はできないという、ごく当たり前のことである。つまり、設計料無料サービスだと、設計に欠陥があっても、建築主は設計の問題点や欠陥につき、文句を言うことはできない。これも当たり前といえば当たり前である。タダでもらった設計図書に文句を言うのはおかしい。それならば三〇万円から五〇万円のサービス価格でも支払えばよいかというと、そうはいかない。いざ、欠陥設計が問題になれば、価格相応の責任しか追及できない。当たり前の話である。