客観的でバランスがとれているかどうか

2011.03.31

科学の世界ではどの科学者も意見の根拠となる証拠を提示しなければならない。総説で論じる研究を選ぶ時でさえ、論文審査を受けて発表された研究以外は引用しない。製造物責任訴訟では、科学者による専門的な証言は、通常は中立的だ。因果関係についての疑問は、結局は科学的なものだ。しかし、科学的疑問は法廷の内と外では非常に異なって扱われる。その違いは証拠と意見とがどういう関係にあるかによる。もちろん科学においても法律においても専門家の意見は重要だ。しかし二つの専門的職業におけるその意味合いは、昼と夜のようにかけ離れている。前章で論じたように、科学者はどんなに専門的知識が深くても、意見の根拠となる証拠を提示しなければならない。科学者が研究を完成するには、その結論が認められる前に証拠を提示しなければならない。自分の専門分野の一般状況を説明する時でさえ、意見の根拠となるものを明確に引用することが習慣となっている。例えば、医学研究者はあるテーマについて既知の情報の要約を発表することがある。総説と呼ばれるもので、知識の状況を評価するという点て、裁判での専門家証言に似ている。しかし総説でさえ、論文審査を受けて発表された研究を引用しなければならない(科学では未発表の研究は通常ほとんど価値がない)。さらに、総説を書く科学者は、できる限り公平であるように、言い換えると、総説で論じる研究を選ぶのに、相当程度、包括的で偏見のないことが期待される。実際、ピア査読者にとって、総説記事が客観的でバランスがとれているかどうかは重大問題だ。
(参考情報)
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