宿便とは、医学用語ではなく、東洋医学で、腸の壁にこびりついていてとれない状態になっている便のことをいいます。この宿便を、下剤などを使ってとってヤセようということですが、ヤセるとか太るということは、脂肪が減ったか増えたかの問題で、水分や便とは関係ありません。だから便秘で体重が増えても、太ったわけではありません。大腸ガンは、太った人や脂肪をとり過ぎる人に多いといわれていますが、最近日本では、生活習慣の変化から、大腸ガンが急増しています。この大腸ガンの検診に、大腸ファイバースコープという検査があります。2リットルもの下剤を飲んでから腸をカメラでのぞくわけです。私の患者さんにも、よく受けてもらっていますが、カメラで見ると腸の壁は非常にきれいで、肥満者であっても、宿便なるものはまったく存在しません。また、この検査によって患者さんがヤセてくれればうれしいのですが、そういうこともありません。つまり、下剤を飲んでも、単に便の重さだけ体重が軽くなるだけで、脂肪が減るわけではないのです。それどころか、毎日下剤を飲んでいると、栄養が吸収されずに栄養不足になったり、腸が炎症を起こして体調を崩してしまいます。ダイエットのための下剤など、百害あって一利なしです。