外国に行かなくても、私は外国語の勉強はできると確信しています。むしろ、実際に外国に行く前に十分な語学力をつけておくべきです。外国語の中では、英語が最も学びやすいはずです。言語自体がやさしいと言っているのではありません。学習のための材料がすぐに手に入るからです。映両やテレビでは生の英語に接することができます。少し大きな町ならば、駅の売店でも英字新聞が買えます。英語の雑誌や本も簡単に手に入ります。地方に住んでいて、そんな環境にないというならば、インターネットで直接海外に本を注文するのも今では簡単にできます。なお、インターネット上で飛び交っている情報の8割以上が英語だという記事をどこかで読みました。インターネットを活用することは単に英語の勉強だけにとどまらず、必要な情報を積極的に手に入れることも可能にするのです。これが、他の外国語との大きな差です。私がロシア語やタガログ語を勉強しようとしたときは、まったく迷わずに教科書を決められました。それくらい選択の幅がなかったからです。東京中を探し回れば、ロシア語やタガログ語の新聞を売っている所もあるでしょうが、少なくとも私が通勤に利用している駅の売店では于に入りません。また、外国語の学習というのは、創造力と想像力の問題にもなってきます。読む、書く、聞く、話すを英語で試してみようとすれば、外国に行かなくても、そのような環境をいくらでも自分の周りにつくり上げればよいのです。今ではテレビの音声多重放送もあるし、ビデオを活用することもできます。本当にやる気があるならば、いつもテレビで外国映画を観るとか、出かけるときはかならず英語の本を持って歩くこともできます。退屈な会議に出席しなければならないときには、他の人の発言を頭の中で英語に通訳してみます。そして、その中で`「この表現は英語だったらどのように言えばよいのだろうか」と疑問を感じたら、後で調べて、語彙を増やすこともできます。日記も英語でっけたらよいのです。要するに、外国語をマスターするというのは、努力ばかりでなく、創造力と想像力にも関係しています。私がまだ20〜30代のころはかなり厳しい課題を自分に課していた時期があります。たとえば、研修医のころ、当直をしているときには、急患で呼び出される時間以外、ずっと英語のテープを聞くか、英語の論文や本を読むようにしていました。ですから、英語が話されている田に行かなければ英語が上達しないというのは、言い訳にすぎないと私は思っています。英語を身につけようとアメリカに行ったものの、教室には日本人の生徒ばかりで、日本語でおしゃべりして数年過ごしたという話をよく聞きます。それでも、外国で見聞を広めてきたという意味ではけっして無駄ではないと思いますが。
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